認可外保育園見学時のポイント


★認可外選びこそ、保活力が試される!

役所に書類を提出すれば一括して申込みできる認可保育所と違い、認可外保育所は各園へ個別に申込みします。また、入園者の選考も各園で行うため、認可と認可外では保活のアクションが異なります。例えば、保育園見学1つを見ても認可外ならではの方法や気を付けたいポイントがあり、実はかなりエネルギーを要します。

 

だからこそ、気合いを入れて保活を進めた人とそうでない人では結果に差が出やすいので、ここは何とか頑張りたいところ。まずは基本となるリスト作りから始めましょう。

 

★認可外の情報はどこに?

認可外保育所のリストは、残念ながら役所では貰えないことがほとんどです。よってネットなどから自分で調べて、通園可能圏内にある認可外保育所をリストアップしなければいけません。とはいえ、一定の基準を満たす認可外保育所には届出が義務づけられているため、その届出内容のうち公表されているものがあれば、そこから情報を得る事ができます。

 

情報が入手できる場所(情報の公表場所)はエリアによって様々ですが、例えば東京都の場合は、東京都福祉保健局のホームページにリストが掲載されています。また、主要都市の認可外保育施設リストへのリンクは、筆者が運営するサイト「ここるく」内のお役立ち情報にもまとめてあります。そちらも参考にしてみて下さい。

 

上記のリストなどから近隣の認可外保育所を探し、連載6回・7回の要領で通園圏内の園に絞ったリストを作成してきます。認可外の場合は在住する市区町村以外でも利用できるので、お住いの地区に限らず通える範囲の園を幅広にピックアップすることがポイントです。通勤経路上にある園、区外だけど距離的に近くて通いやすい園などをもらさず拾っていくと、都市部では10~20施設程度のリストになることも珍しくありません。

 

 

リストが出来上がったら、リストアップした園への見学→申込みという流れで進んでいきます。実際に見学する際に思わぬところで足止めされてしまったり、見るべきポイントを見過ごしてしまわないように、次回以降の記事では認可外保育所の見学と申込みについて詳しく触れていきます。

 

 認可外保育所見学、思い通りに予約が取れない理由

認可外保育所への保活も、保育園リストができたら次は見学へと進みます。わりとサクサクと見学できていた認可保育所とは違って、認可外は見学するプロセスに最も時間と労力を要するかも知れません。というのも、各園に予約をとった上で見学に行く流れは、認可も認可外も変わりませんが、認可外の場合は連絡を入れてから実際に見学できるまでの期間が長くなる場合があるからです。特に都心部などの申し込みが集中しやすいエリアでは、「7月に見学を申し込んだけど、予約が取れた見学日は9月だった」なんてことも珍しくありません。

 

★認可外の現状を理解しよう

というのも、認可外の多くは(認可と比較すると)限られた人員とスペースで日々の保育運営をしなければならないため、見学者を頻繁に受け入れるだけのリソースを確保しづらい現状があると思います。見学者を受け入れるとなると、通常は保育にあたっているスタッフが応対することになり、その分の保育者を補わなければいけません。また、資料を見ながら説明するとなると、子どもたちが活動しているスペース以外の場所が必要になります。こういった状況の中で、可能な日を見つけて見学者を受け入れているので、おのずと回数が少なくなってしまいます。

 

また、申し込みが殺到している認可外では、既に申し込み(キャンセル待ち)している人が多すぎて、新たな見学を受け入れていない園もあるようです。新たに見学に来てもらっても入園できる可能性はほとんど無いと園側が判断した際などに、こういった対応も取られているようです。

 

このように、認可外保育所の保活では、見学を申し入れてもすぐには見学できないことがあるので注意が必要です。認可外に申し込む人が多いエリア(都市部など)では、作成したリスト内の園を全て見学し終えるまでには、かなり期間を要するものと考えておいた方がよいでしょう。

 

初動を起こしてから完了するまでに時間がかかると、単純なアクションでも結構ストレスがかかってしまいます。「認可外の見学には時間がかかるもの」と心づもりしておき、落ち着いて保活を進めましょう。リスト内の園に電話を入れて見学日が決まったら、うっかり忘れなどのミスを防ぐためにもきちんとスケジュール管理してくださいね。

 

★認可外保育所を見学する際のポイント

認可外保育所に見学に行く際、どのようなところに着目して見ればよいのでしょうか。国の定める基準をベースに設立・運営されている認可保育所とは異なり、認可外保育所の場合は施設ごとの違いが目に見える形で出やすいと言えます。例えば、保育スペースの取り方やクラスの分け方1つを見ても、認可園のように年齢別になっている園や異年齢でクラスを構成する園などさまざまです。このように、見学に行ってみると園ごとの違いが大きいがゆえに、比較するのが難しいと感じるかもしれません。そこで今回は、認可外保育施設を見学する際に注目してもらいたいポイントを整理します。

 

★運営主体

民間企業やNPO法人など、さまざまな組織によって運営されている認可外保育施設。その運営主体が誰で、どんな理念や考えを持って保育を行っているのかは重要なポイントです。保育理念や方針といった保育運営の根幹にかかわる部分は、現場にまで浸透してなければ意味がありません。よって、見学時に応対してくれたスタッフが誰であれ(園長先生や現場責任者でなくとも)本来であれば答えてくれるはずですので、その園の考え方が自分たちにとって納得のいくものかどうか話を聞いてみましょう。

 

★保育者の姿勢

施設の広さや園庭の有無などで比較してしまうとどうしても認可園には見劣りしがちですが、そこにとらわれすぎると認可外保育所それぞれの"良さ"が見えなくなってしまいます。認可外保育所を見学する際には、ハード面よりソフト面、特に保育者が保育にあたる姿勢に注意して見てほしいと思います。保育という仕事への熱意が感じられるか、子どもに対する言葉かけや接し方に親として気になる点がないか等、短い見学時間ではありますがしっかりと確認したいところ。廊下ですれ違ったり目が合った際に保育者側からあいさつするなど、積極的なコミュニケーションと開かれた雰囲気がある園のほうが、入園後に日常的なコミュニケーションを取る上でも安心ではないでしょうか。

 

★周辺環境

認可外保育所は園庭がないことが多く、その場合は近隣の公園に出掛けたりしてお外遊びを楽しみます。そのため、園の周辺環境が子どもの生活環境となってきます。いつも利用している公園や広場があるかを確認して、実際にその場所も見ておくと安心です。近隣に公園が無い場合は、外遊びやお散歩の方法や頻度についても聞いてみてください。

 

見学を終えたら、申し込みに必要な書類(園所定の申込書など)を受け取り、申し込み方法と期日も確認して帰ることをお忘れなく。

 

★認可外保育所見学は、「見る」と同時に「見られている」

認可外保育所の見学時に見るべきポイントは前回お伝えした通りですが、実は「見る」だけでなく「見られる」ことにも注意してもらいたい点があります。保育園を見学に行く立場としては限られた時間の中で色々と確かめたいこともあり、見ることばかり意識してしまいがち。でも、実は保育園側も見学にくる親御さんの様子を見ています。

 

★入園者決定の裁量を持つ認可外保育所

認可保育所は保護者の就労状況などを指数に落し込んで選考する自治体が多いのですが、認可外保育所の場合は、基本的に園側が自由な方法で入園者を決めることができます。都市部では先着順で選考する園が多くみられますが、親子で面談したり、中には認可園のように勤務時間などから保育ニーズを点数化して選考している園もあります。このように選考方法は各園それぞれでも、結果的に園側が入園者を決める裁量を持っている点では同じです。

 

そうなってくると、園側としても「できれば良いご家庭に入園してもらいたい」と考えるのはある意味当然のことかもしれません。ここでいう良い家庭とは、経済的な豊かさやお家柄云々とは全く別の視点によるもので、「園の保育理念や方針に合っていて、一緒によりよい子育てを目指して頑張っていけそうだ」と思える家庭かどうかです。保育理念や方針に合った人以外は入園させない! という認可外保育所が一般的とは思えませんが、よりよい保育を提供するためにも、見学に訪れた親御さんの様子を意識して見ている園は多いでしょう。

 

入園希望者との接点はそう多くありません。見学に来た際や問い合わせ、申し込みに関するやりとりなど、非常に限られた場面でしか直接コミュニケーションを取る事はできないので、そこでどんな印象を与えるかが重要といえるでしょう。

 

とはいえ、良い印象を与えようと意識するあまり、聞くべき事を聞かなかったり、言うべき事を言わないのはダメです。疑問に思う事、詳しく説明を聞いて判断すべき事についてはしっかりと質問し、子どもを預けるために伝えておくべきことはしっかり言う。逆にこういった姿勢がなければ、園側も親として信頼することが難しくなります。認可外保育所を見学に行く際には、「この親御さん達の子育てに伴走したい」と思ってもらえるようなコニュミケ―ションを心掛けたいですね。

 

 

出典: マイナビニュース

 

 


<認可外保育園見学時のポイント>

保育園の見学は、予め連絡をとって効率よく見て回りたい

認可外保育園のリストが出来たら、次は実際に足を運んで見学するフェーズです。各園に事前に連絡して、見学が可能な日時を確認してから行きましょう。多くの保育園を効率よく見て回る為にも、きちんと予定を立てて行動しましょう。

 

認可保育園の場合は役所が一括して申込みを受付けるため、一枚の申込書で複数の園に一斉に申し込めます。ところが、認可外保育園の場合は各園で申込書が配られ、園ごとにそれを提出する必要があります。そのため、見学時には必ず申込みから選考までの流れについて確認してください。具体的には、「生後何日(何ヶ月)から申込み可能か」「申込み方法(郵送、電話、オンライン)」「入園希望者の選考はどのようにして行うか」といったところです。

 

その他にも、見学時に是非チェックしておきたいポイントとしては次のような点が挙げられます。

 

■保育方針・保育内容

教育に力を入れているところ、スポーツや芸術系で特徴のあるプログラムを採用しているところなど、園によって個性が出やすいのが認可外保育園。そういった分かりやすい特徴だけでなく、保育方針や保育理念といった目に見えない特徴もきちんと把握して比較したいところ。

 

■保育料

料金は園ごとに異なります。基本料金だけでなく、延長料金、食事代、オムツ代など、何にどのくらいの費用がかかるのかを確認します。また、認証・認定保育園に通う場合に保育料の助成が受けられる自治体もあるので、事前に役所で確認しておきましょう。

 

■施設・設備

都市部の認可外保育園では、園庭のないところが多いかもしれませんが、その場合は近所の公園などを上手に活用して子ども達がしっかり体を動かせるように工夫している園も多いようです。園庭の有無を気にされる親御さんは多いのですが、そういった努力や工夫で上手くカバー出来ているのであれば、園庭がないからといって必ずしも環境が悪いとはガイドは考えていません。

 

■地震などの災害時の安全性

地震対策を例に挙げると、建物の耐震性はもちろん、家具等が固定してあるか、棚に収納してある備品が子どもの上に落下する危険性はないか等は確認しておきたいところです。

 

■セキュリティー

外部からの人の出入りが制御されているか、出入口は子供が誤って外に出ない工夫がされているか等、子どもが安心して過ごすことができるセキュリティー管理が出来ているか。

 

■保育者・スタッフ

確かにベテラン保育士さんは安心感がありますが、ベテランか若手かを過度に気にしない方が良いでしょう。それ以上に、保育という仕事に対する意欲が感じられるか、日常的なコミュニケーションが取りやすい相手かどうかの方が重要です。

 

出典: All About