希望の保育園に受かったという通知がきてガッツポーズをとったママ、いざ保育園がスタートし、これまで濃密に過ごしきた子どもと日中離れて過ごすようになって複雑な気持ちを抱いている方も少なくないかもしれません。
保育園に落ちて、絶望の淵に立たされているママ達もいる一方で、復帰ができたママの心もまた複雑なのです。
今日は、預け先が見つかった安堵とこの先仕事と家庭、育児を両立していく不安が入り混じった“保育園受かったママ”の複雑な心境について、ママタレントのくわばたりえさんの動画メッセージを参考にお伝えします。
■保育園初登園の日には涙、涙のワーママ多数!
4月から仕事復帰したママは、保育園の預け時間を少しずつ鳴らしていく“慣らし保育”を終えて、今週からやっと定時まで働けるようになった頃かもしれません。 これまで自宅で濃密に過ごしてきたからこそ、子どもはもちろん、ママにとっても仕事復帰後の最初の1か月は試練と葛藤の日々。
保育園で子どもが泣き叫び、ママを呼ぶ姿に背中を向け、「ごめんなー、ごめんなー」と自らも号泣したと話すのは、3児の母であるタレントのくわばたりえさん。ご自身の体験を元にYou Tubeにママへ向けてのメッセージ動画をUPし話題となっていました。
運よく3人を同じ保育園に入れられたというくわばたさんは、3人の入園の際に、3回とも涙を流し、「母親が子どものそばにいて成長を見守るべきじゃないのか?」と、大きな葛藤があったとこの動画の中で話しています。
さらには、くわばたさんの心をグラグラと揺らしたのが、働くことに対する厳しい声。「育児したくないから、子どもを保育園に預けるんでしょ?」「自分は子どもの方が大切なので、仕事をやめました。仕事の方をとったのですね」といった声に傷つき、自分を責めたことが何度もあるそう。
■保育園での経験が“非認知能力”を育むこともある
「働くことで、子どもが愛情不足にならないか?」なんて心配になるママもいるかもしれませんが、若手の社会学者、古市憲寿さんの『保育園義務教育化』(小学館)によれば、良質な保育を提供している保育園では、子どもが集団生活を通じ、社会性、意欲、忍耐力に関わってくる“非認知能力”を身につけられるといいいます
日本ではこれまで、多くの子どもたちは「非認知能力」を家庭や地域で身につけてきたのだろう。社会全体に格差がなく、豊かな時間はそれでよかった。しかし、これから日本社会ではそうもいかなくなる
とも述べています。地縁・血縁が薄れる中で、ママが孤独に子育てを負う環境は“密室育児”“孤育て”などと言われますが、保育園を起点として先生を始め、お友達やママとの交流が生まれます。孤独で息の詰まりやすい専業ママにとっても、保育園の一時保育などを利用しやすい環境は大切ともいえます。
■働くことは利己的でなく「利他的でもある」という気づきが大切
働くことで家族からは、「お金より大切なものがあるでしょ」なんて言われることがあるかもしれませんが、お金と家族を同じ土俵に立たせて比べることはあまり意味がありません。
社会学者の筒井淳也さんは、日本では“家族のために奉仕すること”が正しく、“お金を稼ぐこと”が利己的とされる認識があるのでは?と考察したうえで、「お金を稼ぐことこそが利他的である」と述べています。
社会保険料や税の負担を通じて世帯を超えた支え合いや、日本の景気の底上げにもつながるからです。
お金を稼ぐことが社会にとって持つ意味をもっと積極的に考え、それを子どもたちに伝えることは極めて重要だとおもう
とのことですが、生活の糧であるお金がどのように社会で巡っていくのかを子どもが成人するまでじっくり教えていくことって大切なのかもしれません。
いかがでしたか?
今は、専業ママも、働くママも明確な答えがなく自己肯定感を抱きにくい時代であると感じます。
誰でも、「よし、働こう!」と思った時に、安心して預けられる場所があるということ。保育園を卒園し、小学生になっても、充実した放課後が持てる環境にあること。 専業ママが、子どもの成長を間近で見守った後、職場復帰を望んだときに、もう一度キャリアップにチャレンジできるチャンスが得られること。
そういった条件がそろうことで、多様な育児観や仕事観を受け入れ合い、子どもが成長した時に自分の選んできた道を肯定できるようになるのではないでしょうか?