SNSでは「保育園落ちた…」と嘆く母親たちの声が投稿され始めた。そう、今まさに各自治体(市区町村)から保育園利用希望者のもとに、保育園の入園可否通知が届き始めているのだ。保育園を探す活動を指す「保活」。現状として入園倍率2、3倍は当たり前となっており、なかには倍率10倍以上の保育園が存在する激戦地域もある。
キッズラインは、「保活」を経験したことのある女性会員346名を対象に「保活」についての調査アンケートを実施。「保育園落ちた日本死ね!!」から1年、現在もなお、保活の厳しい実態が浮き彫りになった。
■保活が大変だった人、なんと80%
そもそも保育園に簡単に入れるのなら、「保活」という言葉はこの世に存在しなかっただろう。「非常に大変(44.5%)」「まあまあ大変(35.5%)」と、保活が大変と感じた人は全体の80%を占めた。
■大変だったこと1位は「キャリア継続の不安」僅差で「情報収集」
大変だったこととしては、「保育園に入れなかった場合のキャリア継続の不安(63.9%)」が最も多く、次いで僅差で「情報収集(63.3%)」との回答が得られた。自治体(市区町村)によって保育利用の基準や仕組みが異なるため、「情報収集が一元化されておらず、時間がかかる」「アナログで非効率で、罰ゲームのよう」といった声が寄せらた。また、「産後すぐ慣れない育児をしながらの活動は肉体的にしんどい」など、育児と保活の両立が困難であるということが伺えた。
■保活にかかった費用100万円超えの世帯も
保活にかけたお金の総額は「~1万円(56%)」と回答した人が最も多く、内訳としては役所や保育園見学のための「交通費」「保活本」などが挙げられた。他方、保育園激戦区では、「50~100万円(4.7%)」「100万円以上(5%)」と、保活に50万円以上ものお金をかけた人は約10%を占め、費用の内訳としては「認可外保育園の入園金」「ベビーシッター代」「引っ越し費用」などが挙げられた。認可保育園の入園に有利になるよう認可外保育園やベビーシッターを戦略的に利用した人もいれば、待機児童が少ない地域に引っ越しをして確実に保育園に入園できるよう準備した人もいた。
■保活の都市伝説「偽装離婚」実際にやった人がいた!
ひとり親だと保育園に入りやすくなるという入園基準の裏をかき、一時的に籍を抜くという「保活離婚」。都市伝説的に語られているが、保活経験者はこの保活離婚をどう思っているのだろうか。
保活で苦労した人が多いからか「実際にやる人はいると思う(72.3%)」と多くの回答を得た。また「実際にやった人を知っている(6.5%)」「自分がした(0.3%)」の回答も寄せられた。「”保活のためにここまでする?”と思えるような手段」について聞いたところ、「(保活離婚を)実際にやった人が近くにいたが、本末転倒だと思った」「そういう(保活離婚を行った)家庭を通報できる行政システムが必要」と批判的な意見も寄せられた。また保活離婚のほかにも、保育園に入るために「親と同居しているが、一時的に親に遠方に引っ越してもらう」や「夫と別居をする」といった、保育園に入るための苦肉の手段も寄せられた。
【調査概要】
調査期間:2017年1月26日~1月31日
調査対象:保活経験者の女性:346名
調査方法:キッズライン登録者向けのアンケート調査
文/編集部
@DIME編集部